「私の記憶が正しければ、弊社がこのシステムを初めて取り扱ったのは1983年でした。イタリアの研削現場で、毎時3,600個、繰り返し精度0.5ミクロンで、スルーフィード研削したピンの測定に使用しました。そのときは、現場でレーザーを使うなどSFの世界のようで突拍子もないことでした。
言い換えれば、弊社はこの分野におけるパイオニアであり、現在でもアプリケーション生産における世界的リーダーです。経験、ノウハウ、ツールの品質と優秀さを活かし、現在もこれからも競争相手に対する優位性を維持していきます。」
Antonio Spizzamiglio, Aeroel General Manager
Aeroel(エアロエル)社のレーザーテクノロジー
今日、センタレス研削および測定プロセスでは、自動プロセス調整や不適合ワークの排除に加え、より高い効率性と精度が求められます。
これらのプロセスでは、非接触のレーザーまたはCCD光学測定システムを使用することで、移動するワークを極めて柔軟に測定できます。別のケースとして、一般的にスルーフィード研削では空圧式測定システムが使用されます。
1980年代からAeroelが開発しているレーザー測定技術がマーポスのシステムに使用されています。2017年にマーポスによって吸収合併されたAeroelは、技術改善を続け、アプリケーションの範囲を拡大してきました。これを可能にしたのが、現在誰もが認めるマーケットリーダーとしての地位を確立している卓越したノウハウです。
測定ツールとしてのセンサーはシステムの心臓部です。ワークの形状と速度を考慮する特定のアプリケーションソフトウェアと、運搬および洗浄システムや排除およびセレクト装置など、操作を完了する顧客支給の装置、これら両方が揃うとセンサーがうまく動作します。
この技術は、製品やワークの径をすばやく正確に測定しなければならないあらゆるケースにおいて役立ち、ワークの接触や停止が不可能な場合には不可欠な技術です。たとえば、引き抜き金属線、電気ケーブル、電気導体、押し出しプラスチック管、熱間圧延製品、ガラスチューブ、センタレス研削製品のワークなどの場合です。よりシンプルなベンチおよびオフライン測定でも、特に効果的で優位性があります。
レーザー光測定システムの動作原理
Aeroelのゲージは、測定する物体に視準を合わせる細い光のビームを出すレーザーダイオードを使用します。レーザービームは、高速で測定ゾーンを調査するために、レンズのフォーカスポイントに配置された回転鏡によって一定の速度で偏向されます。
この動作の最中に、測定する物体をビームが遮断し、物体の影をレシーバー上に投影します。影の継続時間は測定するワークのサイズに比例し、光の継続時間は測定フィールドにおける物体の位置に関係します。
レシーバー内では、レンズが受光し、フォトダイオード上にその光を集光します。その後、ダイオードからの信号がマイクロプロセッサーによって処理され、影/光の時間が径および位置の値に変換されます。
アプリケーションソフトウェアは、以下の機能を提供します。
- 径の表示
- 公差のチェックと製品の選択
- マシンの自動調整
- 工程制御および品質保証のための統計計算
- システムと他のコンピューターとのインターフェース
- アプリケーションごとに必要な機能の提供
マーポスのGrindlineレーザーテクノロジーの利点
マーポスは、機械部品の径をチェックするための2つのシステムを完成しました。
- Grindline.Xレーザーシステム。単一径測定が必要な「スルーフィード」研削盤用。
- Grindline+.Xレーザーシステム。同一ワークで多径測定が必要な「プランジタイプ」の研削盤用。
どちらの場合も、使用されている技術により、優れた速度、精度および柔軟な測定システムが保証されます。
最大でも1~2日でシステムの取り付けやスタッフの指導が行えます。
実際、システムの操作には特別な技術研修は必要ありません。何よりも、このシステムはオペレーターによるモニタリングが不要です。
Grindline.Xレーザーシステムでは、どのようなスルーフィード径でも、ワークの停止、マスターでの工具のゼロ設定、および何らかの「プリセット」を行うことなくすぐに測定できます。この工具は、製品ライブラリーに保存されている必要なプログラムを再呼び出しすることで、ワークおよび径に適応します。
このシステムは、移動する製品、高温の製品、変形しやすい製品、または振動する製品を測定できます。
永久自動校正では、測定工具と測定されるワークの両方に周囲温度変化がもたらす可能性のある影響が、完全に自動補正されます。
サイクルタイムに加わる時間が1ミリ秒未満というこの測定プロセスは、非常に精度が高く精密です。0.1ミクロン、さらには0.01ミクロンレベルの測定繰り返し精度を、細いワイヤーで瞬時に達成できます。このシステムの精度は、出荷時設定用に使用されたマスターの不確かさによってのみ制限されます。通常は、+/-0.25ミクロンです。