電極膨張のチェック:膨張解析
リチウムイオンバッテリーセルの分野で、性能と安全性を向上させる目的で集中的に研究開発を行うには、新しい電気化学組成での持続的な実験が必要です。新しいバージョンの電極、分離装置、電解液は、実験室で慎重にテストした上で、生産フェーズに移行し、最初はパイロットライン、最終的に大量生産に進む必要があります。
充放電サイクルの下で電極材料の体積の安定性を調査することは、不具合、さらには寿命と長期に渡る安全性を予測する上で重要です。
リチウムイオンの取り付けと取り外しによる充放電サイクル(いわゆる「ロッキングチェア」現象)中に電極の体積の膨張および収縮を測定することは、新しい電極材料または生産に向けた新しい電気化学構成の検証を可能にするために実験するべき基本的側面の1つです。
マーポスが提案する電極膨張テストベンチは、短期、長期のテストに対して、さまざまな適用条件で、最高クラスの信頼性を保証します。
テストベンチには、テスト対象のセルサンプルを収容できる密閉テストチャンバーが備えられています。チャンバーは、制御された大気環境で実験をセットアップできるように、簡単に取り外しできます。また、電気的に不活性の素材でできているため、テスト対象のサンプルの電気化学的挙動への干渉を回避できます。
測定ユニットには高精度の非接触式ポジショニングトランスデューサーが備えられているため、テスト中に電極の膨張を検出する際に、センサー内の摩擦の影響を受けることはありません。
テスト対象として力が重要な変数になり得るという事実により、加えられた力を検出するためのセンサーも備えられている調整可能なシステムを介して、テスト対象のセルサンプルを望ましい圧縮力値まで簡単に予圧できます。
制御された熱条件の下でテストを実行するために、専用のセンサーが、チャンバー内にあるテスト対象のサンプルの温度を直接検出します。これには、充放電サイクル中に生成される熱の効果を検討する目的もあります。
すべてのセンサーがE9066コンピューター装置に接続され、これにより、テストの間中、すべてのパラメーターの継続的かつ自動的な取得、測定値の処理とデータファイルへの保存が可能になります。
- 密閉テストチャンバー
- 非接触テクノロジーを備えた高分解能誘導ポジショニングトランスデューサー
- 予圧力の調整と測定
- テストチャンバーでの直接の温度検出
- すべてのテストパラメーターの継続的な取得および保存
- 2つの電極(陽極と陰極)の同時テスト用のバージョン
- 単一電極の(基準電極に対する)テスト用のバージョン
誘導トランスデューサーの分解能 |
0.01 µm |
力調整範囲 |
1 / 10 kg |
使用環境温度範囲 |
-10° / +60°C |